「足・腰」の衰え
小さな段差に気づかず転んでしまった!うっかり足を滑らせてしまった!高齢になると、身体能力も次第に衰え、これまで何気なく行えていたことがうまくできなくなったり、時間がかかるようになったりします。これらは「年相応」の老化現象の1つではありますが、特に「足・腰」の衰えを感じるようになったら、本人も周りの家族も日頃から注意が必要です。
なぜかというと、足腰の衰えによる転倒をきっかけに、介護が必要となるケースが多いからです。
たとえば、骨折など怪我が原因で寝たきりになってしまうケースはもちろん、転倒を恐れるあまり家に閉じこもりがちになり、足腰が弱って動けなくなってしまうことも。豊かなセカンドライフを少しでも長く送るためにも「転倒事故」を防ぐことが大切なのです。
高齢者が転倒しやすくなる原因
もちろん、加齢による身体機能の衰えが影響しているのですが、中でも下記の3つが大きな原因となります。
1)足が上がらなくなる
2)バランス感覚が悪くなる
3)動作(身のこなし)が鈍くなる
いずれも、歳を重ねると次第に出てくることなので「歳だから仕方ない…」と思われがちですが、少しでも衰えを改善・遅らせるために、簡単にできるエクササイズを取り入れてみましょう。
足をスムーズに上げられるようにするには太ももや脛の筋肉、バランス感覚を取り戻すためには足の前・後ろ側の筋肉やお尻の筋肉を鍛えます。また、転びそうになった時、さっと身をかわせるようにするには、日頃からよく体を動かし、運動神経を衰えさせないことが大切です。
「抗重力筋」を鍛え、転倒を防ごう
「抗重力筋」とは文字の通り、私たちが地球の重力に対して姿勢を保持するための筋肉のことです。背中・腹筋・お尻・太もも・ふくらはぎ首の各部分の前後に張り巡らされ、それぞれが互い伸びたり縮んだりしながら、バランスを保っています。何か特別な動きをしなくても、ただ立っている・座っている状態でも、常にどこかの「抗重力筋」が働いているため、全身の筋肉の中でも疲労しやすく、また収縮したままになりやすい筋肉です。だからこそ「抗重力筋」をととのえることで、全身への負担を軽減させ、転倒防止の効果も期待できるのです。
自宅でできる、簡単エクササイズ
◎上半身の筋力強化「手のひらで、押し合いっこ」
1)椅子に座り、胸の前で手のひらを合わせ、肘を開く(脇はこぶし1個分開く)。
2)合わせた手のひらをぐっと押し合うように力を入れる。
3)手の位置を体の真ん中でキープする(左右均等に力を入れる)。
4)5秒キープしたら、ゆっくりと力を緩める。
5)1〜3をゆっくりと繰り返す(1日3回、1回につき5〜6回が目安)。
<ポイント>
・動作の最中に、呼吸を止めないようにする
・胸や背中の大きな筋肉を意識して動かすと効果的
◎下半身の筋力強化「座ったまま、スクワット」
1)椅子に座り、かかとを床にしっかりとつけ、足を腰幅に開く。
2)上半身を少し斜めに傾け、目線は前方へ。
3)かかとに重心をのせ、太ももに力を入れたら、ゆっくりと立ち上がる。
4)1〜3をゆっくりと繰り返す(1日10セットが目安)。
<ポイント>
・立つ時・座る時に、膝がつま先よりも前に出ないようにする。
・動作の最中に、呼吸を止めないようにする。
・太ももの前後とお尻の筋肉を意識して行うと効果的。
がんばりすぎないことが大切
若い時と比べると、体力が衰えているのはもちろん、筋肉自体も痛みやすくなっています。そのため、無理にならないように自分のペースで取り組みましょう。筋肉はいくつになっても、鍛えて発達させることができると言われています。いつまでも元気で若々しくいるために、無理なく運動することを習慣にするとよいでしょう。
いつまでも健やかに暮らしていくために
私たち東海レーベンは、東海市を中心に地域密着型の介護サービスの提供を行っています。ひとことで介護と言っても、必要とすることは一人ひとり異なります。ご本人はもちろん、家族の方々にも安心していただけるように、それぞれに合わせたきめ細やかな対応を心がけています。高齢者のセカンドライフや介護に関することでお困りごとなどありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。