症状の進行を遅らせる認知症のケアとは?
同居のご家族が認知症になると、今後の生活や症状の進行などの心配やお悩みはつきません。
認知症が進行していくと新たな記憶ができなくなったり、性格が変わったりと少しずつケアする側にも負担が大きくなります。
最終的に意志の疎通が難しくなり、誤嚥や体が上手く動かせなくなり寝たきりの状態になることもあります。
認知症において進行を遅らせることは、本人のQOLの維持だけではなく、介護者や同居家族が穏やかに過ごすためにも大切です。
根本的な治療法が確立していない認知症ですが、薬物療法とともにケアにより進行が穏やかにすることが望めます。
認知症の進行とともに現れる症状に対するケア
認知症が中期以降になると、記憶を留めておくことが困難になり、妄言や徘徊などの行動に繋がります。
食事をいつ摂ったのかわからなくなり「食べさせてもらえない」など吹聴したり、自宅への認知が薄れたりすることで「家に帰らないと」など行く当てもなく出かけてしまうことがあります。
これらの行動の原因は、わからないということに対しての不安が大きくありますので、認知させる工夫が効果的です。
食事を摂った後はすぐに片付けずにしばらく団らんの時間を設ける、自宅を昔住んでいた実家だと思い込んでいる場合などは話を合わせながらこちらで少し休みませんかなどとさりげなく誘導しましょう。
認知症が末期になると、失禁の回数が増え、誤嚥により食事が上手く取れず、筋委縮で寝たきりの状態になっていきます。
意識が薄れていきますので、認知症による行動は少なくなっていきますが手厚い介護が必要となります。在宅でのケアが難しい場合、介護施設に預けるなども視野に入れましょう。
本人の意思に沿うような最後を考えれば、自然に見送ることもできます。
認知症の進行を遅らせるために必要なケア
認知症の発症には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因となることが多くあります。
認知症のケアとともに本人にこのような持病がある場合は、投薬などの治療もケアすることで脳の機能低下を緩やかにすることができます。
食事での栄養管理も大切です。
活性酸素の働きを穏やかにするビタミンや、脳の機能向上に効果がある魚類などを意識的に取り入れてバランスの良い献立にしましょう。
また血流を良くし足腰を鍛える有酸素運動にもなる散歩、喫煙や飲酒は控えめにして生活習慣を整えることも有効です。
認知機能の低下には、ストレスは大敵です。
本人が失敗したり、現実とは異なる言動をしたりしても叱責せず大らかに受け止めましょう。
また、認知症の症状による行動を和らげる抗不安剤・睡眠剤などの処方により、本人や周囲の人たちのストレスを軽減できますので、主治医には積極的に相談します。
家族や地域、社会との繋がりが認知機能の低下を抑制します。
家の中で本人の出来る役割を与え(植物やペットの世話、簡単な家事など)感謝の言葉を伝えましょう。
失禁などを恐れて外に出たがらないという場合でも、旅行や外食など楽しい提案をして連れ出しましょう。
記憶が曖昧になっていても、充足感や自己肯定感が自信に繋がり、穏やかに過ごすことができます。
認知症の新たな症状や、本人の性格などで、上手くケアができない、苛立ちなどのお悩みがある場合は抱え込まずに、ケアマネージャーなどの介護のプロに相談しましょう。
本人の状態を適切に把握でき、必要なケアプラン、対処法を知ることができます。
東海地方で認知症のケアにお悩みの方は東海レーベンにぜひご相談下さい。
様々なケースや状況にあったケアプラン、対処法をお伝えできます。
まとめ
認知症の進行を緩やかにすることで、本人や介護者、家族が穏やかに過ごすことができます。
認知症の本人と接するときは否定したり叱責したりせずに出来るだけストレスのかからないようにしましょう。
行動で困ったときは、さりげない声掛けで誘導したり、共感を示したりすることで解決することもあります。
持病の治療や、食事・生活習慣を整えることや、家族や社会との繋がりが認知機能の低下を抑制します。
認知症によるお悩みは、抱え込まずに主治医やケアマネージャーなどに積極的にご相談下さい。