高齢者でも安全にお餅を食べる工夫4選!おすすめの代用品もご紹介
お餅は冬場の行事食として幅広い世代に人気の食品ですが、その特性から高齢者にとってはリスクがつきもの。喉に詰まりやすく、場合によっては窒息を招く恐れがある食べ物としても知られているためです。
そこで今回は、お餅の危険性をはじめ、高齢者でも安心してお餅を食べるための工夫点をお伝えします。
おすすめの代用品などについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
お餅が高齢者にとって危険な理由とは?
お餅が好物という高齢者は多くいますが、油断して食べると命にかかわるほどの危険性も伴います。
その主な理由としては、以下の2つが挙げられます。
噛む力や飲み込む力が弱くなるため
年齢を重ねるほど、顎の筋肉や歯の機能は衰えます。そしてお餅は非常に粘り気が強い食品なので、口の中に入れて簡単に溶けることはありません。
まず咀嚼力(そしゃくりょく)が弱いと、粘着性のあるお餅を歯で細かく嚙み切りづらくなります。
同時に嚥下力(えんげりょく)も低下するので、お餅をスムーズに飲み込むことが難しく、喉の奥で詰まりやすくなってしまうのです。
唾液の分泌量が減るため
加齢に伴い、唾液の分泌量が減るのも危険といわれる理由の一つ。
唾液の分泌量が少なく口内が乾燥していると、口に含んだお餅が処理しきれない状態になります。
すると、飲み込めないまま喉の奥に残ってしまって窒息死につながるというケースが少なからず発生しやすいのです。
高齢者でもお餅を安全に食べる4つの工夫&注意点
高齢者がお餅を安全に食べるには、ある程度の工夫と注意点を把握しておく必要があります。
以下ではそのポイントをご紹介いたします。
①お餅を食べやすいように小さく切る
先述した通り、若年層や中年層のようにお餅を自分で噛み切って食べることは高齢になるほど難しいです。
そのため、はじめからお餅を一口サイズに切っておく工夫を施せば、ある程度人の助けを借りずとも食べやすくなるでしょう。
また、市販の小型タイプのお餅やスライスされたお餅を購入するのも手軽で良い方法です。
②喉の通りがよくなる調理法にする
できるだけお餅を柔らかい状態にして噛みやすくなるように、「焼いて」食べるのではなく「蒸す」「煮る」などの調理法を採用しましょう。
また、お餅をマッシュしてお好み焼きに取り入れるのもおすすめですよ。
③安全な食べ方を意識する
まず、お餅を食べる前にはお茶や汁物を飲んで喉を潤しておきます。
大きなお餅を口に入れて、あまり噛まずに飲み込むのは危険。あくまでも少量ずつ、よく噛んでゆっくり飲み込む必要があるでしょう。
よく噛んだ後に少量の水分を飲むと楽に飲み込めますが、噛まずに水分で流し込んだ場合は喉に詰まりやすくなるので要注意です。
④周囲が必ず見守る
高齢者が安全に食べるためには、家族や介護者が進んで同席して見守るべきでしょう。
誰かと一緒に楽しく食事をするというコミュニケーションは、高齢者の心身の健康にも良い影響を与えます。
そして「よく噛んでね」「お茶は飲んだ?」などの一言があるか無いかでも、ご本人の食事の意識が大きく変わるはずです。
のどに詰まりにくいお餅や代用品はある?
嚥下機能がかなり低下している場合、やはりお餅自体を避けたほうが無難でしょう。
「それでもお餅を食べさせてあげたい」「家族一緒にお正月感を楽しみたい」と思う場合、通常のもち米よりも粘度が低い品種を使用した、「噛まなくてもOK」と謳う介護用のお餅を購入するという方法もあります。
また、以下でいくつか紹介するように、もち米を別のもので代用する工夫をしてみるのもおすすめです。
- じゃがいも餅(じゃがいもと白玉粉を混ぜて作る)
- 大根餅(大根と白玉粉を混ぜて作る)
- とうふ白玉(絹ごしとうふと白玉粉を混ぜて作る)
- とうふ餅(絹ごしとうふと片栗粉を混ぜて作る)
- おから餅(おからと片栗粉を混ぜて作る)
通常のもち米で作られるお餅独特の食感や風味とは異なる部分も多いかもしれませんが、これらのお餅なら安心しておいしく食べてもらえるはずですよ。
まとめ
お餅は高齢者にとって注意を要する食品です。消費量が多くなる正月を含めた1月は、高齢者の窒息事故が急増しやすいため特に注意するべきでしょう。
お餅を安心して食べる工夫としては、小さいサイズに切る・柔らかくなる調理法を意識・少量ずつよく噛んで食べるよう周囲が見守るなどを心がけるとよいでしょう。
また、お餅の代わりになる食品を見つけて試してみるのもおすすめです。
東海市の東海レーベンでは、介護が必要な高齢者一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなサービス提供に日々尽力しております。ご家族の高齢者の食事サポートが不安な方、そのほか心配事のある方は、東海レーベンにまでお気軽にご相談ください。










