高齢者がなりやすい「春バテ」とは?春バテ予防に効果的な食事のポイントも解説
厳しい寒さの冬に終わりが見え、ぽかぽかと温かい日差しが増える春は過ごしやすく、春が来るのが待ち遠しいと思う方も多いと思います。
しかし、1年を通して春は寒暖差がもっとも大きいため、「春バテ」と呼ばれる心身の不調が表れやすい季節なので要注意。とくに高齢者はほかの年齢層に比べて「春バテ」にかかりやすいといわれており、放置すると骨折や脱水症などの危険性が高まるかもしれません。
今回は、高齢者にみられる春バテの原因や、春バテ予防に効果的で簡単に取り入れられる食事のポイントについてご紹介します。
春バテのおもな原因とは?
春バテのおもな原因は、寒暖差による自律神経の乱れといわれています。
自律神経は、日中に血圧や心拍数を上げて活動の増加を促す「交感神経」、夜間に血圧や心拍数を下げて体をリラックス状態にする「副交感神経」の2つで成り立っています。
例えば「暑いと汗をかく(体温調節)」「運動で脈拍が早くなる(心拍数)」「食べたものを胃で消化する(消化活動)」など、自分では意識していない体の働きは、すべて自律神経が体の内外から受ける刺激や情報によって行うものです。
そして1日の寒暖差が大きいと、この自律神経は体温調節に必死になってしまい、交感神経ばかりが働く状態に。このように、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることを「自律神経の乱れ」といいます。
とくに高齢者は加齢によって自律神経の機能が衰えている状態のため、自律神経がより乱れやすく、「春バテ」に陥りやすいのです。
~高齢者の春バテの例~
- 食欲不振
- 体のだるさ
- 動悸
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 不眠
このなかでも「めまい」は転倒による骨折のリスクがありますし、「食欲不振」は水分不足による脱水症のリスクも高まるため要注意です。
春バテ予防に効果的な食事のポイント
春バテによる高齢者の食欲不振は、脱水症に加えて免疫力の低下や骨の脆弱化などにつながります。
ここでは、春バテ予防に効果的で簡単に取り入れられる食事のポイントをご紹介します。
たんぱく質の摂取
3大栄養素の1つであるたんぱく質は、血液や骨、内臓など体の約20%を構成する重要な栄養素です。
また、たんぱく質には「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸も含まれており、摂取することで脳内のセロトニンが増え、自律神経を整える効果があります。
たんぱく質を多く含む食品には、
- 魚類
- 肉類
- 卵類
- 大豆および大豆製品
- 牛乳および乳製品
などが挙げられます。
また、咀嚼力や嚥下力が低下している高齢者の場合、
- 肉類はひき肉を使う
- 納豆は刻むかひきわりを選ぶ
- タラなど柔らかい白身魚や鯖缶の活用
- ゆで卵は刻む
などの工夫をして上手くメニューに取り入れていきましょう。
ビタミンB群の摂取
ビタミンにはさまざまな種類がありますが、なかでもビタミンB群は自律神経を整えるビタミンB12や疲労回復効果があるビタミンB1など、春バテ予防に役立つ栄養が豊富に含まれているためおすすめです。
ビタミンB群を多く含む食品は、
- 豚肉(ビタミンB1)
- マグロ、カツオ(ビタミンB6)
- レバー、牛乳(ビタミンB16)
- サバ、イワシ、レバー、ヨーグルト(ビタミンB12)
などが挙げられます。
とくにビタミンB12は高齢になるほど吸収率が減少するため、食事で補うのが難しい場合はサプリメントに頼るのも1つの方法です。
まとめ
寒暖差が大きい春は自律神経が乱れやすく、自律神経の機能が低下している高齢者は「春バテ」になりやすいといわれています。この春バテによる食欲不振やめまいは、骨折や脱水症のリスクも高まるためより注意が必要でしょう。
予防策としては、毎日の食事にたんぱく質やビタミンB群を積極的に取り入れるのがおすすめですが、介護で手一杯で食事管理まで手が回らないという方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合はぜひ、東海市の東海レーベンにまでご相談ください。東海レーベンではご相談者様一人ひとりに寄り添った、最適な介護サービスをご提案することが