介護で多い悩み「入浴介助の手荒れ」の原因と効果的な予防方法
介護をしていて、ひび割れやあかぎれなどの手に関するトラブルを経験した方も多いのではないでしょうか。
特に介護サービスの現場では、高齢者や要介護の人の日常生活をサポートするために常に手を酷使している方が多いでしょう。
例えば入浴介助では、入浴準備から始まり洗身・洗髪、入浴後はタオルで拭く、服を着せるなど手を使ったさまざまな介助があり、手荒れが起きやすい状況といえます。
今回は手荒れの原因を掘り下げて、さらに手荒れを防ぐコツについてもご紹介します。
入浴介助で手荒れがひどくなるのはなぜ?
ここでは、入浴介助で手荒れがひどくなってしまう具体的な原因についてご紹介します。
必要な皮脂が流されてしまうため
入浴介助のときは水やお湯へ頻繁に触れるため、手の皮脂膜が流されてしまうことが大きな原因の一つとして考えられます。
皮脂膜とは、肌の表面に形成されている膜で肌の保護や潤いを保持する役割があります。
体を清潔に保つためには古い皮脂汚れをある程度洗い流す必要がありますが、必要な皮脂が流されてしまうと肌の乾燥や炎症などのトラブルを引き起こしかねません。
また、入浴介助では温度調整などで38度前後のお湯に触れることがあります。お湯は角質の油分を溶かしやすく、肌へのダメージを強めてしまうのです。
摩擦による乾燥と消毒による刺激
入浴後の着替えなども、手荒れを進行させてしまう原因の一つかもしれません。
介護の現場では、おむつ交換やシーツ交換などを頻繁に行います。紙や布類を何度も触ると水分が奪われ肌が乾燥してしまうだけでなく、摩擦を繰り返すために大きな負担がかかります。
また、おむつ交換の前後に感染症予防のために洗浄剤やアルコール消毒を使用することもあるでしょう。これらには刺激性成分が含まれており、肌を守るためのバリア機能を壊してしまうことがあります。
手荒れを防ぐ3つのコツ
手荒れのリスクを最小限にするためには、日頃からできる限りの予防を行いましょう。
ここでは効果的な予防方法を3点ほどご紹介します。
①手袋をする
介護では水仕事、掃除、消毒などを頻繁に行うのでゴム手袋や使い捨ての手袋を着用するのがおすすめです。
感染症の予防という観点でも手袋の使用は欠かせません。手袋をする際は、しっかりと手洗いをし、乾燥させることが大切です。
そして使用後は、外側に触れないよう取り外すのがコツです。
②保湿をする
肌を乾燥させないために、こまめに保湿をしましょう。例えば手洗い後にハンドクリームを塗ることは皮膚を守るための基本的なケアの一つです。
ただし、水分が残った状態でハンドクリームを塗っても蒸発してしまう可能性があるので、必ず水分をよく拭き取ってから使用してください。
とくに就寝前には念入りに塗るのがおすすめですよ。
生活習慣の見直し
肌の潤いを保つために、体の内側からもケアを心がけましょう。
水分補給はもっとも大切なポイントですが、カフェインやアルコールは利尿作用があるため摂りすぎると逆効果になるので注意が必要です。
また、ビタミンA、Eなどの栄養素を含む食品の積極的な摂取も効果的。そのほかにも、部屋の温度や湿度を適切に保ち、冬などは加湿器の使用を検討するのが良いでしょう。
手荒れから肌を守る!ハンドクリームで注目したい成分は?
ハンドクリームにはさまざまな種類がありますが、商品それぞれに成分の特徴があります。
自分の手の状態や肌との相性なども踏まえてハンドクリームを選ぶと良いでしょう。
- ヒアルロン酸
人間の皮膚を形成する成分の一つであり、肌の保湿効果を高める効果があるので毎日のケアにおすすめです。
- 尿素
ハンドクリームによく使われている成分で、肌の水分を保持する力とともに角質を除去してくれる役割も。
- セラミド
肌に優しい天然成分で外部刺激から肌を守り、手荒れしにくくなります。
- ワセリン
水分の蒸発を防ぎ、皮膚にフタをする役割があるので夜の集中ケアなどに使うと効果的です。
まとめ
水やお湯に触れる機会が多い入浴介助は、必要な皮脂が流されたり摩擦が加わったりすることで手荒れを悪化させがちです。
「まだ、痛みやかゆみがないから大丈夫」といって放置はせず、しっかりと保湿して肌を守ることが大切。ひび割れや水ぶくれなどで日常生活に支障をきたすほどひどい炎症が生じた場合、迷わず皮膚科を受診しましょう。
東海市の東海レーベンでは、日常的な介護にまつわる悩みのご相談も親身に承っています。介護について何かお悩みのことや気になる介護サービスがありましたら、東海レーベンにまでお気軽ご相談ください。