老人性難聴への対策とコミュニケーションの取り方

ご高齢のご家族の方と、何だか最近上手くコミュニケーションが取れない、テレビの音量などを大きくされて揉め事になるなどの不自由さを感じることはありませんか? 

こうした場合の原因として、ご高齢者の方の耳の聞こえが悪くなっている「老人性難聴」が考えられます。 

老人性難聴とは? 

一般的に老人性難聴とは、加齢に伴って耳(内耳)の細胞が減少したり、音の意味を理解するための脳の回路に問題が生じたりすることによって起こる症状です。 

老人性難聴は、加齢に伴って起こりますので根本的な治療は見込めませんが、発症したご本人とのコミュニケーションを工夫することによって日常生活の改善は期待できます。 

ただし症状を放置すると、孤独感が深まって認知機能に影響が出てしまうほか、車の走行音など重要な音に気付けない危険性が高まります。ご家族に老人性難聴の心当たりがある場合、ぜひ下記のチェックリストや予防策を参考にしてみてください。 

老人性難聴の判断方法と悪化させないための予防とは? 

老人性難聴になった場合、ご本人がその症状を隠したがる傾向にあります。こちら側が早期発見をするには、日常生活において以下のような行動が見られないかチェックしてみてくることからはじめましょう。 

  • テレビなどの視聴音量が大きい、話し声が大きい 
  • 風呂の湯沸かし完了音や電子体温計などの高い機械音が聞き取りにくそう 
  • 会話に噛み合わない返答や、聞き返しが多い 
  • 複数での会話、騒音の中での聞き取りができていない 

これらの行動が見られる場合、老人性難聴が進行していることが予想されますので、まずは専門医などに相談して状態を確認してみてください。 

そして、もし老人性難聴の診断を受けた場合、補聴器での矯正をすることで聞き取りやすくしてあげるほか、症状を悪化させないよう生活に気を配ることも大切です。 

難聴を和らげる生活改善 

動脈硬化を予防する食生活が、聴力維持に有効であると言われています。 

たとえば、不飽和脂肪酸を多く含む魚を頻繁に食事へ取り入れてみましょう。 

また、塩分や脂肪分を抑えた食事は血流障害を防ぎます。 

そして喫煙をする方ならば、血管の収縮が心配なためできる限り禁煙を進めていきましょう。 

ほかにも、体内の血の巡りを良くする行動として、有酸素運動が効果的です。ウォーキングなど、運動負荷があまり高くなく、ある程度継続して行えるような運動を積極的に進めてみましょう。 

大音量には要注意 

大きな音を常に聞くような生活は、もちろん聴力を悪化させます。 

聞こえないからといってむやみに音量を上げる、イヤホンを長時間使用するなどの行為をしていないか気を配り、パチンコやカラオケなど常に大音量が流れる場所へにはあまり長居させないようにしましょう。 

一方で、テレビやラジオなどで新しい情報を得ることや友人や家族との会話は認知機能を刺激し、脳の老化を穏やかにしてくれます。 

老人性難聴の方とのコミュニケーション方法 

老人性難聴は、一般的に高音部から聞き取りが困難になって進行します。また両耳で同時に発生することが多く、とりわけ話し声の区別が難しい症状です。 

老人性難聴がある場合には、本人が聞き取りやすくなるようコミュニケーションの工夫をしましょう。 

たとえば雑音の多い場所では、できる限り静かな位置に移動して、低めの声でゆっくりと話しかけるのが効果的です。そして正面から手振りなどをして注意を引き、長々とではなく簡潔な会話をするとスムーズです。 

「おはよう」「調子はどう」「ご飯できたよ」など、区切りをつけて聞き取りやすくしましょう。 

もし難聴が進行しているなら、ジェスチャーを交えた会話、絵や文字のボードを使って視覚を交えた会話を意識することも有効です。 

困ったときにはプロからのアドバイスも有効 

難聴でコミュニケーションが取りづらい状態が続くと、お互いにストレスを抱えがちになるのも現実です。つい大声で言い聞かせていないか、細かな間違いを指摘しすぎていないかを確認し、もしも言い合いになりそうならば一旦席を離れてみましょう。 

コミュニケーションが難しい、心理的負担が大きいなどと感じる場合は、介護のプロであるケアマネージャーに相談してみるのも一つの手です。客観的な視点によって問題行動やその環境が見えてきますし、ご本人との円滑なコミュニケーションの取り方のコツもアドバイスしてもらえます。 

東海地方で老人性難聴の方とのコミュニケーションにお悩みの方は、東海レーベンにぜひご相談ください。長年の経験と豊富なケースを知るケアマネージャーが、適切な環境の整備や症状改善のコツなどをお伝えします。 

まとめ 

テレビの視聴音量や話し声が大きくなった、会話がかみ合わないなどのもどかしさを感じる場合、老人性難聴が疑われますので専門医に相談してみましょう。 

また、難聴の進行を防ぐためには食生活の改善や大音量の環境から遠ざけるなどの工夫をすることも大切です。 

難聴のほか、介護に関するお悩みをお持ちの方は、お気軽に東海市の東海レーベンにまでご相談ください。 

 

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