高齢者だからこそやってほしい!断捨離のすすめ
高齢の親御さんに、家族がやってほしいと思うことのひとつに「物の片づけ」があります。
大量の物をため込んでいる高齢者の方って多くいらっしゃいますよね。
ご本人にしっかりとした意思がある間に「断捨離」を敢行したいのに、なかなかいうことを聞いてくれないという話をよく耳にします。
どのようにすすめればスムーズに片付けができるのでしょうか。
今回は「高齢者の断捨離」について考えます。
「長年の習慣を変える」高齢者の断捨離は難しい
高齢者は物を捨てられずため込んでしまう傾向がありますが、それは生きてきた時代背景が大きく関係しています。
現代の高齢者は、戦時中〜戦後の「物のない時代」を生きてこられた方々です。
貧しい思いをして生きてこられた方もいるでしょう。
つらい時代の記憶から「物を大切にする心」が育まれたと言っても過言ではありません。
長年培ってきた「物を大切にする心」は「捨てない」ことにつながり、その結果しまい込んだまま使っていないものであふれている・・・という人が多くいます。
高齢者の断捨離は「長年の習慣を変える」ことなので、そう簡単ではありません。
「高齢者の断捨離」5つのメリット
そもそも「断捨離」という言葉はヨガの用語で「断行・捨行・離行」という、自分にとって不必要なものを整理することです。
「不必要な物」とは物質的な物から地位・名声への執着、全てです。
2010年には流行語大賞にノミネートされるほど世間から注目を集めた「断捨離」ですが、実は高齢者にこそおすすめしたいメリットがたくさんあるんです。
1)暮らしやすくなる
物を整理する=物が少なくなることで生活がシンプルになり暮らしやすくなります。
人は老いる過程において物忘れが顕著になりますが、物を整理してシンプルにすれば物のありかが一目瞭然になり「あれどこいった?」を防止できます。
あと、床に物をたくさん置いている場合は片付けることで転倒防止や転倒した先に置いてある物にぶつかるなどの、けが防止にもつながります。
2)いざというときの荷造りが楽に
高齢者は急に入院が必要になったり、場合によっては高齢者施設に住まいを移すこともあり得ます。
その場合も身の回りの持ち物を整理してシンプルにしておけば、急な時にあわてることなく対応できます。
3)節約にもなる
断捨離をして持ち物をシンプルにすると「物を増やさない」考えが芽生え、それが節約につながります。
年金生活の強い味方です。
4)見られたくないものを自分で処分できる
誰しも人に見られたくない、ちょっと恥ずかしいものってありますよね。
そのようなものを人目に触れることなく処分できるのは元気なうちだけです。
5)遺された人への思いやりを考える
「遺品整理」の専門業者の需要が高まっていることからわかるように、遺品整理は大変エネルギーのいる作業です。
断捨離を嫌がる高齢者の中には「自分が亡くなった後に全部処分してくれればいい!!」と怒ってしまう人もいますが、遺品整理には大切な人たちの時間と労力を要します。
高齢者の断捨離は遺された人たちへの思いやりですので、ぜひ考えていただければと思います。
「高齢者の断捨離」成功の鍵は仕分け
高齢者に限らず、断捨離成功の鍵は「仕分け」にあります。
高齢者の断捨離はとにかくあせらずにすすめていきましょう。
1)仕分けスペースの確保
押し入れや棚などの物を仕分けする際は、まず一旦全部出しましょう。
そのためのスペースが必要になるので、まずは「仕分け専用スペース」を作りましょう。
2)「必要」「不要」「保留」に仕分けする
仕分ける際は「必要」「不要」「保留」の3つに分けましょう。
この時点で保留だらけでもかまいません。確実に「不要」な物は減り、成果が出ればコツがつかめてくるのでどんどん仕分けしましょう。
3)1日で終わらせようとしない
物を大切にする時代に生まれた高齢者が「物を捨てる」ということはとてもエネルギーが要る行為ですのであせらずじっくり進めてください。
1日で終わらせようとすれば最後は適当に済ませてしまい納得のいかない結果になってしまうこともあります。
4)おおまかな期限は決める
あせらずゆっくりが基本ですが、とはいえダラダラとやるのはよくないのである程度の期限決めは必要ですね。
期限までにできそうになければ伸ばせばいいかな・・・くらいの余裕あるスケジュールで進めましょう。
5)第三者に立ち会ってもらう
第三者にアドバイスをもらうと効率がアップすることもあります。
時には片付け専門の業者のプロにお願いするのもいいですね。
数回プロにお願いするだけでもコツを得ることができるので、その後の作業がスムーズに進められるでしょう。
高齢者の断捨離は強制せずメリットを伝えて進めよう
高齢者の断捨離は「残りの人生に本当に必要なもの」を見出すきっかけにもなります。
決して無理強いをせず、
「物を床に置きっぱなしではつまずいたときに危ないよ」
「片付けたら広くなって気持ちがいいよ」
など断捨離のメリットを伝えて、周りの人がサポートして進めていきましょう。
まずは簡単なところからやってみてください。
例えば財布の中やカバンの中です。
いらないカードを処分したり、銀行口座やクレジットカードを1つに絞る、なども断捨離のひとつです。
身の回りが片付いて暮らしやすさを実感できれば、徐々に範囲を広げていけますよ。
東海市の東海レーベンは、みなさんの「暮らしやすさ」のお手伝いをさせていただいております。
お困りごとや生活のちょっとしたお悩みなど、何でもお気軽にご相談くださいね。