血圧の基礎知識
高血圧は誰もが耳にする身近な生活習慣病です。
高血圧には様々なリスクが潜んでいるため、血圧についての正しい知識を持って対策する必要があります。
厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち約64%が高血圧の症状を抱えています。
高齢になると高血圧になりやすいのか?加齢と血圧の関係はあるのか?といった、高齢者にとっての血圧の基礎知識と、高血圧のリスクや対策について解説していきます。
加齢と血圧の関係
加齢に伴って血圧は上がりやすい傾向にあります。
その理由としては、年齢を重ねることによって起こる血管の衰え(弾力性の低下)があります。
血管は弾力性を持っていますが、誰でも加齢とともに血管が老化し、厚く硬くなっていきます(動脈硬化)。
血管の弾力性が低下して血液の流れが悪くなると、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならなくなり、血管壁にかかる収縮期圧力(最高血圧)が高くなってしまいます。
また、自律神経も関係しています。
血管は通常、気温や体温、気象や睡眠のリズムなどに合わせて収縮や拡張をして血液をスムーズに流しています。
加齢によって自律神経の働きが低下すると、血圧変動のリズムが乱れ、血液がスムーズに流れなくなってしまいます。
本来血圧が低くなる夜間になっても自律神経の影響から血圧が下がらなかったり、起床後に急激に血圧が上がったりすることがあります。
高血圧とは
安静時の収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出す際の数値)が140mmHg以上、拡張期血圧(心臓が弛緩している時の数値)が90mmHg以上、または両方が値以上の場合、高血圧となります。
測定数値は測る時間や場所、緊張状態や服薬によって違いが現れることがあるので注意が必要です。
家庭で血圧を測る際には、基本的に起床後と就寝前と決まった時間に測定するようにしましょう。
高血圧のリスク
血圧が高い状態が続くと、もろくなった血管に強い圧力がかかり続けることになり、命に関わるような合併症を引き起こす危険があります。
■心臓・血管に起こり得る合併症
・心筋梗塞…血管内にできた血栓で心臓内の血流が一部途絶えてしまい、その先の細胞が壊死してしまう
・大動脈瘤…動脈が破裂し、臓器へ必要な血液を送ることができなくなる
・狭心症…心臓の血管が細くなり、十分な酸素や栄養を送ることができなくなる
■脳に起こり得る合併症
・脳梗塞…脳の血管が細くなったり詰まったりして血流が悪くなる
・脳出血…脳の血管が破れて出血する
・くも膜下出血…脳表面の血管にできた動脈瘤が破裂し、出血する
■その他の症状
・頭痛やめまい、吐き気
・眼底出血、目が見えにくくなる など
※心臓疾患と脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)は日本人の死亡原因の中でも上位を占める病気です。
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行しやすい病気の一つです。
血圧が高いことに自覚がなくても、命に関わる病気に発展してしまうリスクがあるということを理解しておくことが大切です。
そして、高齢だから血圧が高いのは仕方がない、と放置せず、必ず病院を受診し、降圧剤の服用など適切な治療を受けるようにしましょう。
血圧上昇を防ぐポイント
加齢による血管の老化は免れません。
ですが、血圧と生活習慣は密接に関係しており、日常の中で以下のような生活習慣に気を付けることで血圧の上昇を抑えることができます。
日常から血圧が上がらないようにコントロールし、血管の若さを保つセルフケアを採り入れると良いでしょう。
・ウォーキングなどの有酸素運動を行う(1日30分以上)
・塩分の過剰摂取に気を付ける
・飽和脂肪酸(肉類・バターなど)を控える
・野菜・果物・魚をバランス良く食べる
・肥満や糖尿病にならないように体重管理をする
・便秘にならないように注意する
・こまめに水分をとる
・ストレスを避ける(穏やかな気持ちを保つ)
・しっかり良質な睡眠をとる
・過度な飲酒を控える
・禁煙する
・冬にトイレやお風呂などでの急激な温度変化を減らす
このような対策は、血圧の上昇だけでなく、その他の生活習慣病を予防することにもつながります。
高血圧対策のことなら東海レーベン
高齢者にとって大きなリスクをはらむ高血圧。
加齢とともに変化していく血管や血流の特徴を知り、血圧上昇対策のポイントを押さえながら高血圧と合併症を防ぎたいものですね。
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予防や対策について、ケアマネージャーや看護師等が的確なアドバイスを行います。
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