高齢者の筋力減少(サルコペニア)の原因と対策
年齢を重ねると身体の機能が衰える現象は、誰にでも起こり得る避けられないものです。老化を止めることはできませんが、健康的に楽しく生活するためには身体の機能維持がとても重要になります。
今回は「筋力」に着目して高齢者の筋力の衰え(サルコペニア)で起こる症状やその原因を詳しくご紹介します。改善するためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「サルコペニア」その原因と症状
サルコペニアとは加齢などで全身の筋肉量と筋力が低下し、身体能力が低くなった状態のことです。ギリシャ語で筋肉を意味するサルコ(sarx/sarco)と、喪失を意味するペニア(penia)を合わせた造語で、日本語では「加齢性筋肉減弱現象」とも呼ばれています。
人の筋肉量は40歳を境にして徐々に減少していく傾向にあり、60歳を超えると減少率が加速します。筋肉は合成と分解を繰り返していますが、高齢になると合成される筋肉量が減少し、分解される量の方が増加するため、普通の生活を送っていても筋肉が減りやすい状況になるのです。
それに加えてタンパク質の摂取が不足していたり、運動量が減少したりすると、ますます作られる筋肉が減って身体能力が低下してしまいます。
サルコペニアの代表的な症例を以下にご紹介します。
- 頻繁につまずく、または転びやすい
- 歩く速度が遅くなる
- 青信号の間に横断歩道を渡り切れない
- 手すりにつかまらないと階段を上がれない
- ペットボトルの蓋が開けられない
- ふくらはぎや手首が痩せてきた
サルコペニアが進行すると要介護状態、合併症を起こすリスクが高まることが明らかになっており注意が必要です。
サルコペニア改善には食事と運動
サルコペニアを改善するためには筋肉の量や質を高めることが大切です。それには食事と運動による対策が有効となります。
食事は栄養の吸収率を高めよう
サルコペニア改善に意識して取り入れたい栄養は2つ、「タンパク質」と「カルシウム」です。
タンパク質は筋肉のもととなるもので肉類や魚介類、卵はもちろん、豆類にも含まれます。大豆からタンパク質が摂れることは有名ですが、それ以外にも枝豆やそら豆、えんどう豆などからも豊富に摂取できます。
カルシウムは筋肉を支える骨を強くするもので、摂取することで身体機能低下の予防が期待できます。海藻や豆腐、小松菜、ホウレン草などに多く含まれます。
注意したいのは高齢になると腸での栄養吸収率がどうしても下がってしまうことです。いきなり食べる量を増やすのは高齢者には難しい方が多いでしょうから、栄養の吸収率を上げることを意識しましょう。
「薬味」の摂取が効果的?
タンパク質の吸収を高めるには「薬味」の摂取が有効です。生姜やにんにく、わさび、すりおろし大根やツマ、ねぎ、キャベツの千切りなど。これらの薬味には消化酵素や整腸作用のある成分が含まれるため、タンパク質と一緒に摂ることで消化吸収の助けになります。
また、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」や「ケイ素」の摂取も欠かせません。摂取したカルシウムを骨にくっつける接着剤のような働きをしてくれます。
ビタミンDはきのこ類や鮭、いわし、卵などに豊富に含まれます。
ケイ素はじゃがいもや青のり、スギナ茶などに含まれます。特にスギナ茶は同時にカルシウムも摂取できるため骨の強化には有効です。
運動は自重筋トレからはじめよう
筋肉の質がよい状態とは筋肉を構成する筋線維が密に存在し、脂肪などが少ない状態をいいます。筋線維を増やすのに効果的なのが週2、3日~の「自重筋トレ」です。
ここからは、自分の体重を負荷にして骨格筋を鍛える方法を2つご紹介します。息を止めずに呼吸をしながら、はじめは10回を目安に。慣れてきたら回数を増やすようにしましょう。
- 立ち上がり運動
①椅子に座って状態で足幅を肩幅に開く
②「1、2、3、4」のリズムで立ち上がる
③「5、6、7、8」のリズムで椅子に座る
2.スクワット
①テーブルや椅子の背もたれに手をついて立つ
②「1、2、3、4」のリズムでしゃがみ、膝を90度のあたりまで曲げる
③「5、6、7、8」のリズムで立ち上がる
また、散歩や水泳などの有酸素運動を行うと、立ち続けたり歩き続けたりする持続的な筋力を鍛えられます。脂肪を燃焼し、筋肉の質を高めることにも繋がります。軽く息がはずむ程度で効果が期待できますから無理のない範囲で日常生活に取り入れてみましょう。
まとめ
筋肉を活性化して強化することは健康的な生活を叶える上で大変重要です。食事も運動も日々の積み重ねですから生活習慣が鍵となります。「歳だから仕方ない」と諦めず、できることから少しずつ取り入れてみましょう。
東海市の東海レーベンでは高齢者の筋力トレーニングや栄養相談をはじめ、さまざまな介護に関するお悩みにお応えしています。経験豊富なケアマネージャーにぜひ一度ご相談ください。