高齢者の「寝たきり」は危険!具体的な予防策とは?

高齢者が寝たきりになることは、身体機能の低下だけでなく精神的にも悪影響を及ぼしてしまうため、できる限り避けなければなりません。寝たきり状態にならないよう、適切な予防対策を実施することで健康寿命を延ばしていきましょう。

ここでは、高齢者が寝たきりになってしまうとどうなるのか、さらには寝たきり予防のための対策についても詳しくご紹介します。

高齢者の寝たきりの【身体的】リスク

高齢者が寝たきりになってしまうとどうなるのか、その危険性について早速解説していきます。

まずは身体機能に関する部分から見ていきます。

筋力低下や筋肉の萎縮

寝たきり状態の日が続くと、当然運動不足になるため全身の筋力が低下します。

とくに足腰の筋肉は顕著に萎縮し、起き上がってからの歩行や立ち座りが困難になり、ますます寝たきりの進行を加速させてしまうでしょう。

関節拘縮(かんせつこうしゅく)・骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

寝たきり状態で関節を動かさないと関節が硬くなり、可動域が制限されてしまいます。可動域が制限されると、痛みや変形が生じて日常生活動作が困難になるでしょう。

そして、骨の量が減少して骨折しやすい体になる骨粗鬆症の危険性も生じます。

褥瘡(じょくそう)

褥瘡とは、いわゆる床ずれです。寝たきりで長時間同じ体勢をとっていると皮膚が圧迫されて血流が悪くなり、この褥瘡のリスクが高まります。

感染症の原因となるだけでなく、重症化すると命に関わる可能性もあるため放置するのは危険です。

各身体機能の低下

肺活量が低下して痰が溜まりやすくなり、肺炎などの呼吸器感染症のリスクが高まります。

さらには腸の動きが鈍くなって消化器機能の低下を引き起こし、便秘などに悩まされるかもしれません。

そして、寝たきり状態は血流も悪くするため、循環器機能までも低下させて深部静脈血栓症や肺塞栓症などのリスクを高めます。

高齢者の寝たきりの【精神的】リスク

体を動かさない状態を放置し続けると、以下のようにメンタル面でも様々な負担がかかってくるかもしれません。

認知機能の低下

寝たきりになると、外部からの刺激を受けられず認知機能が低下しやすい傾向です。

また、認知症の方は脳の老化スピードが早いともいわれているため、頭を使う機会が減ることで一気に症状を悪化させてしまうかもしれません。

意欲や気力の低下、うつ状態なども引き起こしやすくなるため注意しましょう。

社会的孤立

寝たきりになると外出や人との交流が減り、孤独感や孤立感が強まりがちです。

家族にも気を遣うタイプであれば、思うように体を動かせずもどかしい気持ちを誰にも打ち明けられず、ますます自分の殻にこもってしまう状態に。

社会的な孤立は精神的なストレスを増大させ、心身の健康をさらに損なうでしょう。

寝たきり予防!4つの具体策

ここでは、寝たきり状態を予防するための具体策を4つに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

①バランスの取れた食事

高齢者は特に、筋肉や骨の維持に必要なタンパク質やカルシウム、ビタミンDなどを積極的に摂取しましょう。

チーズやヨーグルトなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、さらには卵・魚介類・キノコ類を取り入れるのがおすすめです、

②適度な運動と十分な睡眠

筋力やバランス能力を維持するために、ウォーキングや水中運動、ラジオ体操など、簡単で続けられる運動を習慣にしましょう。

また、規則正しい良質な睡眠は、心身の疲労回復や免疫力向上に繋がります。

③生活習慣病の予防

寝たきりの原因となりうる生活習慣病にかからないよう、喫煙や過度な飲酒は控えましょう。

また、定期的な健康診断も忘れずに。生活習慣病やがんなどの早期発見と早期治療に繋がります。

④転倒予防と適切なリハビリテーション

寝たきりのきっかけとなる事故やケガを未然に防げるように、家の中の段差をなくす・手すりを設置するなどの工夫をして転倒予防対策に努めましょう。

万が一、怪我などで入院した場合は専門家の指示に従って適切なリハビリテーションを受けることが大切。退院後も、自宅や通所などでリハビリテーションを継続しましょう。

まとめ

寝たきり状態は身体的なリスクだけでなく、精神的にも悪影響を及ぼすため早くから適切な予防・対策を意識することが大切です。

愛知県東海市の「東海レーベン」では、高齢者が寝たきり状態とならないよう、筋力トレーニングや栄養相談など積極的にサポートしています。様々な介護に関するお悩みに寄り添ってお応えしておりますので、何かお困り事がある際は、お気軽にご相談くださいませ。

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