心身共に健康になるメリットも!高齢者の杖の選び方
「足腰が弱くなり歩行時にふらつく」、「転倒した経験がある」といった高齢のご家族をお持ちの方が検討される福祉用具として、「杖」を挙げる方も多いのではないでしょうか。
杖は専門店のほか、ホームセンターやドラッグストア、インターネットなどでも比較的手軽に購入できます。
しかし、さまざまな種類があり、「どれを選べばよいか分からない」あるいは「まだ杖を使うのは早いのでは」とお悩みの方も多いと思います。
そこで今回は、高齢者が杖を使うことで得られるメリットや、杖の選び方についてご紹介します。
歩行サポートだけではない!高齢者が杖を使うメリットとは
杖と聞くと「自力で歩くことが困難になった人が使うサポート用品」というイメージがあると思います。
しかし、高齢者にとって杖の使用はほかにも多くのメリットがあるのをご存じでしょうか。
ここでは、高齢者が杖を使うメリットを3つに分けてご紹介します。
①ふらつかずに安定した姿勢を保てる
高齢になると、筋力の衰えやバランス感覚の低下など足腰を中心とした身体機能に問題が生じやすくなります。
そんなとき、杖を使うことで両足と杖の3点によって体を支える面積が増えるため、ふらつきの予防としても大いに役立ちます。
②足腰や関節の負担軽減
活動量の減少や加齢により、筋力の低下だけでなく足腰・関節の痛みを訴える高齢者は大変多いです。
そのような方でも、杖を使えば足腰や関節への負荷が減り、やがて痛みの軽減にもつながります。
また、姿勢よく歩行することも可能になるため、腰痛の予防も期待できるでしょう。
③ストレス軽減で外出が楽しくなる
杖によって歩行の問題が解消されると、自然とご本人の外出に対する意欲も高まります。
それまでのストレスを感じずに、安心して歩ける嬉しさや楽しさをきっと感じてもらえるのではないでしょうか。
何より「外出を控える」「家で座りっぱなし」「寝転がって過ごす」といった時間ばかりでは、筋力がさらに低下して転倒のリスクも高まります。
購入前に要チェック!高齢者の杖の選び方
杖といってもその種類や形状はさまざまで、使用者の身長や主に使う場所、歩行能力の程度によって選び方が変わります。
ここでは杖の選び方のポイントとして、長さ・持ち手・重さの観点からご紹介します。ぜひ購入前に参考にしてみてください。
杖の長さ(高さ)
杖の長さが体に合っていないと、歩行の姿勢が悪くなるだけでなく、手首を痛めるなど身体に悪影響を与える可能性があります。
そのため、杖を選ぶ際は使用する高齢者の身長に合う長さを選ぶのが基本です。
なお、杖の長さの目安は「身長÷2+2~3cm」とされていますが、購入前には実際の使用感も確認した上で、最適なものを選びましょう。
杖の持ち手(グリップ)
杖の持ち手は使用感を左右するだけでなく、力を入れて握れない形状の場合は転倒にもつながりかねません。握った際に力を入れやすい太さのものを選ぶことも重要なポイントでしょう。
一般的に持ち手が細くて小さいものは女性、持ち手が大きく太いものは男性と分けられますが、もちろん個人差があるため、使用する高齢者の手の大きさと握力に合わせて選びましょう。
杖の重さ
杖の重さは持ち運びや使いやすさを考慮して「軽いほうが良い」と思われがちですが、軽い杖の場合、耐久性や安定感にどうしても不安が残ります。
一方で、重い杖は長時間使用すると疲れやすいデメリットがあるものの、体重をしっかりかけられるので安定性には優れています。
使用する高齢者の筋力や使いやすさなどと折り合いをつけながら、ちょうどよいバランスのものを選びましょう。
まとめ
高齢者が使用する杖は、歩行のサポートをはじめ、足腰や関節の負担軽減だけでなく外出意欲の向上につながるアイテムです。
杖を選ぶ際は、まず身長から適切な長さを導き出しましょう。そして購入時は、使用する高齢者に実際にいくつか試してもらい、重さや持ち手の感覚も確認しつつ選ぶことをおすすめします。
なお、高齢者が使用する杖はケアマネージャーの判断によって「福祉用具貸与」として利用可能になる場合があります。
東海市の東海レーベンでは、経験豊富なケアマネージャーがさまざまな介護サービスを丁寧にサポートしています。杖のお悩みや歩行の不安がある方など、どうぞお気軽にご相談ください。