寝るときの靴下は逆効果!?就寝時の正しい冷え性対策
シニア世代に多い冷え症。季節に関係なく常に冷えを感じているという方は少なくありません。
特に就寝時、足元が冷えてしまってなかなか寝付けないという悩みを持つ方は多いようです。
冷え性対策として靴下を履いて寝ている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに靴下は足を温める効果があり、手軽にできる有効な対策といえます。
しかし靴下を履いて寝ることは、かえって体を冷やし、睡眠の質を悪化させてしまう恐れがあるのをご存知ですか?今回は、シニア世代の冷えとその原因、就寝時の正しい冷え対策についてお話しします。
シニア世代の冷え性の実態とその原因
令和4年の国民生活基礎調査(2022)によると、「手足が冷える」という自覚がある人の割合は、65歳以上では51.7%、うち男性は38.4%、女性では62.5%に及び、シニア世代の冷えの実態が明らかとなりました。
冷え性の原因は個人によってさまざまですが、高齢者における多くの原因は以下の2点です。
・筋肉の衰えにより発熱量低下
体内でつくられる熱のうち、およそ60%は筋肉から生まれます。そのため筋肉量が少ないと冷えやすくなります。高齢者や女性に冷え症の方が多いのはこのためです。
・運動量低下により血流が悪化し、体温調整がうまくいかない
高齢者は体を使わないことで、自律神経が乱れると考えられます。若い方は、ホルモンバランスの乱れや精神的なストレスが自律神経の乱れにつながっていることが多いですが、高齢者は加齢による動作不足が原因の冷え性であることが多いのです。
自律神経には、血管を拡げたり縮めたりする働きがあります。その働きが乱れると、血のめぐりが悪くなり、体温調整に支障をきたしてしまうのです。
寝るときの靴下はかえって冷える!?
冷えをなんとかしたくて分厚い靴下を履く方は多くいるかと思いますが、それを寝るときにも実践していませんか?実はこれは体温調整を妨げ、かえって体を冷やしてしまう可能性があるのです。
靴下を長時間履いていると、蒸れてしまい、足の裏に汗をたくさんかきやすくなります。汗は体内の熱を逃がす働きがあるため、熱が過剰に放出されることによって逆に体が冷えてしまうというメカニズムです。こうして体温が下がり過ぎると、体が緊張して交感神経が刺激され、目が覚めやすくなり、結果的に睡眠の質を下げる原因となるのです。
また、締め付けが強い靴下を履くと足の血流を悪くし、これも冷えに繋がります。
そうした理由から、冷え性対策は、靴下以外で温める方法を検討してみるのがおすすめです。
靴下は履かない!冷え性を防ぐ、寝るときの快温活法3つ
ここからは、寝るときにおすすめの温活法を3つご紹介します。
①足先は裸足で適度に放熱できる状態にする
人は深部体温(脳を含めた身体の内臓の温度)が下がるにつれ眠気を感じるという性質があります。つまりは眠りに入るとき、一旦は深部体温を下げる必要があり、足からの放熱を妨げないようにするためにも靴下ではなく裸足でいることが大切なのです。また、深部体温の落差があるほどスムーズに眠りに入れるため、寝る前にはお風呂で体を温めることも有効です。
②レッグウォーマーでふくらはぎと足首を温める
裸足には、靴下ではなく「レッグウォーマー」を履いて、ふくらはぎと足首を温めるのがおすすめです。
ふくらはぎは第2の心臓と言われ、脚から心臓に向かって血液を送り返すポンプの役割を果たしています。そこを温めることによりポンプ機能を高めて血流を良くし、体温の下がりすぎを防ぎます。足のむくみの対策にもなり、冷えとむくみ両方に悩んでいる方には特に有効です。ただし、レッグウォーマーは脚を締め付けないものを選びましょう。
③全身に冷えを感じる人はおなかの近くに湯たんぽを置く
寝る直前まで、湯たんぽや布団乾燥機で寝具を温めておくのもおすすめです。特に湯たんぽは緩やかに温度が下がっていくため、布団の中に入れておけば朝方まで温かさを保つことが出来ます。
手足だけでなく全身に冷えを感じる人は、おなかの近くに置けば内臓から温まり、全身の血流が良くなります。
ただし、低温やけどには注意を払いましょう。寝具や体が十分に温まったら、眠る前に体に触れないよう端に寄せるなどの対策が必要です。
まとめ
冷え性の対策には、体を温めて血流を良くすることこそが重要です。そして質の良い睡眠に入るためには、まずは深部体温を冷やすことも重要。この2点を両立させることが、寝るときの冷え性対策のポイントです。
睡眠は毎日のことですから、自分に合った方法を見つけることが大切です。特に高齢になると、寒さや暑さを感じる感覚が鈍くなるため、周りの人が敏感に気遣う必要も出てきます。
冷え性や血流に関する高齢者のお悩みなら、東海市の東海レーベンにまでご相談ください。東海レーベンでは、ご利用者様一人ひとりに合った対策法をもとに、常に寄り添いながらしっかりとしたサポートを行います。