高齢者の熱中症について
適切な体温調整ができず体に熱がため込まれ、脱水状態になることで起こる熱中症。
熱中症で救急搬送される人のうち、約半数は65歳以上の高齢者です。
また、気温が高い日中の外出時だけでなく、安全だと思いがちな自宅室内や夜間でも多く発生します。
高齢者の熱中症について、リスクや気を付けたいポイント、対策について解説していきます。
高齢者にとっての熱中症のリスク
高齢者の場合、突然重症の熱中症になるケースや死亡例も多いので、注意が必要です。
■感覚機能が低下している
加齢により、暑さやのどの渇きに対しての感覚が鈍くなっており、熱中症になったことに気づかず、気づいた時には症状がかなり進行し、重症化してしまっていることもあります。
■体の調節機能が低下している
暑い時は汗を出すことで体温を下げようとしますが、高齢になると汗をかきにくくなるので、高齢者は体に熱がたまりやすく、暑い時には若年者よりも循環器系への負担が大きくなります。
■体内の水分が不足しがち
高齢者は若年者よりも体内の水分量が少なくなっている上に、体の老廃物を排出する際にたくさんの尿を必要とするため、体内の水分が不足しがちです。また、のどの渇きを感じにくいので、水分の補給を怠りやすいこともあります。
熱中症の予防
熱中症は適切な予防をすることによって防ぐことが可能な病気です。
脱水と体温上昇を抑えることが対策の基本です。
■水分補給をする
高齢になると、のどの渇きを感じにくくなるので、のどが渇いていなくてもこまめに水分をとるようにしましょう。
水分のバランスを保つには、1日に1,000~1,500mlの水分摂取が必要です。
定期的な水分補給を意識しましょう。
例えば、起床後・各食事時・入浴前・入浴後・就寝前など、日常生活の中でタイミングを決めて、コップ1杯水分をとることを習慣づけると良いですね。
特に暑い時期には、汗をかくことで塩分も失われるので、水分と塩分が適量に配合された経口補水液がおすすめです。
また、水を飲み込むことが難しい場合は、水分補給用のゼリーなどを利用しましょう。
■室温・湿度を保つ
寝ている間に室温が上がってしまい、気づかないうちに熱中症になってしまうことがあります。エアコンを使って室温を28℃以下に保ちましょう。
ただし、室温を28℃に保つこととエアコンの設定温度を28℃にすることは違います。
部屋に温湿度計を置き、こまめにチェックして、実際の室温に応じてエアコンの設定温度を変えるようにしましょう。
また、湿度が高いと、汗が蒸発できず体温を下げることができません。
室温が28℃でも湿度が80%以上ある時は注意が必要です。
扇風機だけでは湿度の管理ができませんので、エアコンで湿度を70%以下に保つようにしましょう。
エアコンによる身体の冷えや、節電の意識からエアコンを嫌う高齢者も少なくありません。
部屋の温度が28℃を超えたらエアコンをつけるといったルールを決めるのも一つの手です。
また、エアコンの風が直接体に当たって体が冷えないようにしましょう。
■体温調節機能を高める
1日に1回、汗をかく運動を行うことがおすすめです。
日常的に運動を行うことで、体温調節機能の低下が緩やかになります。
■外出時の対策
外出時の服装は、白色のゆったりとした服がおすすめです。(太陽の熱を吸収しにくく、熱を逃しやすいため)
また、日陰をつくる黒色の日傘もおすすめです。
■周りの人が気を付けること
高齢者のお世話をする人は、体調(様子と数値)・環境に気を配りましょう。
体調の様子については、元気・食欲はあるか、発熱はないか。
体調の数値については、血圧・心拍数・体温はどうか。
環境については、部屋の温度湿度は適正か、風通しや換気は十分か、日当たりが強すぎないか、などです。
熱中症対策のことなら東海レーベン
高齢者にとって大きなリスクをはらむ熱中症。
年齢とともに変化する体の特徴を知り、熱中症対策のポイントをおさえながら暑さと上手に付き合うことが重要です。熱中症対策については、東海市の東海レーベンまでお気軽にご相談ください。予防や対策について、ケアマネージャーや介護士が的確なアドバイスを行います。
高齢者向けの適切な対策を把握し、熱中症を予防したい方は、是非東海市の東海レーベンへご相談ください。