高齢者の不眠対策!不安を和らげ健やかな眠りをサポートするために
心身の健康を保つために欠かせない睡眠。しかし、年齢を重ねるにつれて「眠れない」と感じることが増えたと悩む方も少なくありません。実際に、高齢者の「睡眠に関するお悩み」は非常に多くなっています。
今回は、高齢者が眠れなくなる理由や不眠を改善するポイントについてご紹介します。年齢とともに睡眠はどのように変化するのか、正しい知識を持って対処し、健やかな眠りを手に入れましょう。
高齢者の不眠の原因は「加齢」?
不眠を訴える高齢者には、共通の特徴があります。それは「眠れないことへの不安や焦りが非常に強い」ということです。
そもそも加齢によって睡眠時間が短くなるのは、ごく自然な現象です。歳を重ねるにつれて日中の活動量が減るため、必要な睡眠時間が短くなってしまうからです。
65歳を過ぎると睡眠時間の平均は6時間を切り、若いころに比べて深い睡眠(ノンレム睡眠)の割合が減少する一方、浅い睡眠(レム睡眠)の割合が増加してきます。そうなると、夜中に目が覚める中途覚醒が増え、トータルの睡眠時間が短くなりやすいのです。
不安を理解してサポートしよう
不眠が高齢者にとって自然な現象であっても、若いときのように眠れない、意図せず自分が変化してしまうといった状況に不安を感じ、焦ってしまう高齢者の方は多くいます。睡眠は毎日のことですから、必要以上に深刻に捉えてしまう人も少なくありません。
不眠は本人にとって大きなストレスとなりえる、という事実を周囲の人も理解してサポートしてあげることが大切です。
高齢者の不眠対策・4つのポイント
自然現象とはいえ、高齢者の睡眠時間が短くなる傾向はできるだけ改善したいものですよね。
そこで、不眠対策に有効なポイントを以下にまとめてみました。日頃、無意識でしている行動の中に睡眠サイクルを妨げる原因が隠れているかもしれませんので、この機会にぜひチェックをしてみてください。
1.日光を浴び、日中の活動量を増やす
朝起きたらカーテンを開け、太陽の光をしっかり浴びましょう。
これによって体内時計がリセットされ、夜に自然と眠くなるリズムが作られます。
また、散歩やストレッチなどの軽い運動を取り入れて、無理のない範囲で体を動かすこともおすすめです。
2.夕方以降は激しい運動を控える
日中の運動は有効ですが、夕方以降に激しく動いてしまうと就寝時にも興奮状態が続き、目が冴えてしまいます。
夕方以降はできるだけ体を休めるように心がけましょう。
3.睡眠リズムを整える
昼寝は15時までに、長くとも30分以内に留めるようにしましょう。
また、眠気が無いのに早い時間から床に入ることも控えましょう。無理に早く寝ようとすると、かえって眠れなくなることがあります。
眠れない場合でも焦らずに、一度床から出て気分転換をしましょう。
4.睡眠を妨げる習慣を避ける
まず、寝る前にカフェインは摂らないようにしましょう。カフェインには覚醒作用があり、夜中に目が覚めやすくなるだけでなく、寝つきが悪くなって睡眠の質を低下させます。
次に、テレビ・ラジオ・スマートフォンは寝る1時間前までと決めておきましょう。テレビやラジオは脳を刺激するため、入眠しにくくなります。また、液晶画面から発せられるブルーライトが眠気を妨げる可能性も高いです。
ならびに、もしも喫煙をしているのなら禁煙をすることで睡眠の質が改善されるかもしれません。タバコに含まれるニコチンには、カフェインと同様の覚醒作用があります。
睡眠障害の背景にある疾患にも注意
不眠は精神疾患との関わりも深く、認知症やうつ病などの症状がある方は睡眠障害が起こりやすい傾向です。
この睡眠障害には「不眠型」と「リズム障害型」の2種類があり、以下の特徴があります。
- 不眠型:眠りに入りにくい、あるいは眠りが浅い
- リズム障害型:昼夜逆転などの生活リズムの乱れが主な症状
不眠型かリズム障害型かを見分けるには、1~2週間の睡眠日誌が有効です。
昼夜の睡眠パターンを記録しておくと、医師の診断を受ける際に役立ちます。
また、疾患による睡眠障害の改善は本人だけでは難しい場合も多いため、周囲の理解とサポートが何よりも重要となります。
まとめ
高齢者の不眠は自然な加齢現象の一部ともいえる症状ですが、その背景には疾患が隠れている可能性もあります。家族や介護者がその状況を見極めて、適切にサポートすることで、本人の安心感や生活の質の向上につなげられるでしょう。
東海市の東海レーベンでは、高齢者の体調管理や介護に関する相談を随時承っています。不眠を含む睡眠のお悩みや介護のお困りごとがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。経験豊富なケアマネージャーが、丁寧にサポートいたします。