高齢者のうつ病と家族のサポート方法とは
ご高齢のご家族の様子がおかしい、塞ぎこんでいる感じがする、そんな場合は、老人性うつの可能性があります。
うつ病は、比較的若年層の精神の揺らぎが大きい時期や、仕事などのストレス負荷が大きい働き盛りの年代がかかりやすい疾病だと思われがちです。
しかし、高齢期においてもうつ病は、環境や身体的な問題で発症しやすいと言われています。
ここでは高齢期のうつ病の要因やうつ病の見極め方、そして、家族の対応の仕方までを解説します。ぜひ、ご参照ください。
高齢者のうつ病の発症の要因と症状とは?
高齢期は、心理的な負担となるさまざまな環境変化が多い時期です。
ご本人に次のような環境の変化がなかったか、一度考えてみましょう。
・長年連れ添った方との離別(夫婦・友人)があったり、大切なペットが亡くなったりなど、人付き合いに関する変化
・定年退職や、住み慣れた場所からの引っ越し、趣味のサークルを離れたなど社会的な立場や関係の変化
・老化や持病の悪化で歩きづらくなったなど、出来ていたことがままならなくなる身体的な変化
これらの環境的な要因に加えて、ご本人の性格が真面目で几帳面・周囲の動向を気にしがちで臆病・思いつめやすく気持ちの切り替えがうまくできないなどに当てはまる場合は、うつ病の発症リスクをさらに高めてしまいます。
実際にうつ病を発症していると、以下のような変化が見られます。
・趣味に没頭できない、集中ができない。
・会話が少なく、無表情、無関心である。
・食欲が減退している。
また、うつ病が誘因となって身体的な症状に悩まされる場合もあります。
頭痛、めまい、便秘、肩こりなどの不調を訴えたり、睡眠が取りづらかったりなど、以前はそれほど感じなかった身体症状が現れている場合も、うつ病を疑ってみてください。
高齢だからと放置すると、うつ病は深刻化し、希死観念を持つなど最悪の事態に陥ることにもなりかねません。
高齢者がうつ病を発症した際にすべき家族の対応とは?
「うつ病かも」と思ったら、まずはかかりつけ医に相談してみてください。
また、うつ症状と思われる変化は、実は認知症や脳疾患、持病の悪化である可能性も考えられるため、詳しい診察や検査が必要です。
そしてうつ病である場合、投薬などのアプローチなのか、カウンセラーや専門家による精神的な治療を受けるほうがよいのか、医師による適切な指示を仰いでいくことも重要になります。
家族の対応としては、治療に適した環境を用意することが求められるでしょう。
無気力な状態の高齢者に、むやみに「頑張れ」や「何かすれば」などと叱咤激励の言葉を向けるのはより症状を悪化させる原因になりかねません。うつ病の状態に合わせて、本人に寄り添うような心遣いが必要です。
生活改善をサポートすることでうつは改善傾向に
うつの症状が強い場合、生活サイクルが乱れていることが多くあります。起床・就寝の時間を定めて質の良い睡眠が取れるようにサポートしましょう。
飲酒や偏った食事をしていた場合は、栄養バランスの摂れた食事を適量摂れるように注意を払い、
ストレッチや散歩などの軽い運動をしてもらうのも症状改善につながります。気分の良さそうな日には積極的に外出に誘ってみるのもよいでしょう。
外出が難しいという場合には、負担のない範囲で家事をしてもらうことで家族内での役割を深めるのがおすすめです。趣味や娯楽などの没頭できるものがあれば、さらに症状の軽減が期待できます。
デイサービス利用やプロのサポートも有効
社会的なつながりを持たせることも、うつの症状を回復させる手立てになります。デイサービスなどの利用で、新たな友人や人とのつながりを持てる居場所を確保してみましょう。
また、うつ症状が悪化すると物事を悲観的に捉えやすくなり、モノを取られた・意地悪をされているなどの妄想を抱くことや妄言を吐くことがあります。こういった場合、家族内で支えるには負担が大きく要介護者の疲れも増します。
困った際は家族内で抱え込まず、地域の包括センターなど外部の窓口に相談してください。本人に対する態度や、与える環境に問題がないか第三者に見てもらうことで、本人との関係性に問題がないか判断できます。
おすすめはケアマネージャーなどの介護のプロへの相談です。ご本人の性格や、心身の状態などを適切に判断し、相応しい声掛けやケアプランなど環境整備のアドバイスができます。
まとめ
高齢期は離別や離職、老化など周辺や身体の変化が発生しやすく、うつ病を発症するリスクが高くなります。会話が減った、無表情、意欲がない、心身の不調を訴えるなどの傾向がある場合、うつ病の危険性を考えて、早めに医療機関へ受診させましょう。
また、症状が悪化したり、周囲の負担が大きかったりする場合は、ケアマネージャーなどの第三者の意見も取り入れてみるとよいでしょう。
東海地方でご高齢の方のうつ症状にお悩みの方は、東海レーベンにご相談ください。
長年の経験と豊富なケースを知るケアマネージャーが、適切なケアプランやサポートのコツなどをお伝えします。