【高齢者介護】入浴に伴う危険と安全対策について
入浴は体を清潔にするだけではなく、1日の疲れをいやす心地よいリラックスの時間でもあります。
しかし、高齢者やそのサポートをする家族にとっては「腕や肩に痛みがあるため入浴が億劫」「介助をする家族の負担になるのが不安」など、ネガティブな感情を持つ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また、高齢者の入浴にはヒートショックや溺水といった重大な危険も伴います。リスクを最小限に抑えるためには入浴環境を整え、適切な入浴方法を実践することが大切でしょう。
今回は、高齢者が安心して入浴を楽しむための具体的な安全策について探っていきます。安全で快適なバスタイムのために、押さえておきたいポイントを一緒に学びましょう。
高齢者の入浴時に考えられる危険な4パターン
高齢者の入浴には、具体的にどのような危険が伴うのでしょうか。
以下でいくつかの例を挙げながらご説明いたします。
①転倒
高齢者の中には、思ったように体を動かせない方がたくさんいます。
身体の自由が利かない分、少しの段差につまずいたり、とっさに物を掴めないことが原因で転倒してしまったりする危険性があるのです。
風呂場には湯舟や棚など硬い素材でできたものも多く、頭をぶつけると大変危険であることは想像に難くありません。
②ヒートショック
ヒートショックとは、激しい気温差が体に与えるダメージ・衝撃のことを指します。
寒い脱衣所や浴室から、熱い湯舟に浸かったときによく起こりやすいといわれるヒートショック。
脳梗塞や心筋梗塞を引き起こし、最悪の場合は死に至る可能性もありますので、暖房を使うなどの工夫が必要です。
③脱水
高齢者に多い特徴のひとつに、「脱水症状になりやすい」というものがあります。
もともと体の水分の少ない高齢者が、適切な水分を摂らないままに入浴するのは大変危険なこと。何より脱水症状は自分で気付きにくいため、周囲の人が進んで気を付けてあげる必要があります。
入浴の前には、コップ一杯の水を必ず摂取するようにしましょう。
④熱中症
熱い湯舟に長時間浸かることで、熱中症になる危険性もあります。
「熱いお風呂が好き」という方は要注意です。
脱水症状と同じように、熱中症も自分では気付きにくい場合があり、動けない状態になって初めて症状に気が付く可能性もありますので、長風呂は控えさせたほうがよいでしょう。
高齢者の安全な入浴のためにできること
高齢者本人も介助する家族も安心して入浴をするために、どのような安全策を取ればいいのでしょうか。
工事などの大きい負担が必要なくできる対策もありますので、ぜひご検討ください。
滑りにくいマットを敷く
マットを滑りにくい素材のものに替えるだけでも、安全性が高まります。
滑り止めマットといえば浴室の床に敷くイメージがあるかもしれませんが、浴槽にも敷くことをおすすめします。
なぜなら、浴槽から立ち上がるときに滑ったまま自分の体を支えられず、溺れてしまう可能性があるからです。
適切な高さの椅子を用意する
立ち上がる動作が辛いという高齢者は数多くいます。
そのため、ホームセンターでよく売られているものよりも、安定感のあるシャワーチェアをおすすめします。
背もたれがあるものや足の高さが調節できる商品もありますので、実際に使われる方の背丈に合わせて選びましょう。
熱すぎない温度で短時間の入浴を
熱すぎる温度での長風呂は、脱水や熱中症につながります。
気温差によるヒートショックの心配もありますので、十分な注意が必要です。
高齢者は水分不足になることが多く、温度調整機能も低下しているため、湯舟に浸かる時間は長くとも10分程度に留めた方がよいでしょう。
出入り口や浴槽の横に手すりをつける
立ち上がる動作が辛かったり、指先の力が弱かったりする方も少なくありません。
手の届く位置に手すりがあることで、浴室内の安心感や快適さが格段に上がるでしょう。
加えて転倒防止策にもなりますので、一度工事を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
浴室を適切な環境整備にすることが、安心安全な入浴につながります。
温度差を減らし、適切な高さの椅子を用意するだけでも不安要素は軽減されるでしょう。
同時に手すりを設置したり、マットを滑りにくいものに変更したりする対策も効果的に転倒リスクを軽減できる可能性があります。もし入浴に関して不安があるようでしたら、まずは簡単にできる対策から取ってみてくださいね。
介護に伴う入浴をはじめ介護サポートに関することでお悩みの方は、ぜひお気軽に東海市の「東海レーベン」までご相談ください。経験豊富なスタッフが、ご本人様やご家族の不安を取り除くお手伝いをさせていただきます。