高齢者には立ち上がり動作が難しい!その原因と対策方法
起床時や入浴後など、日常生活を送る中で必要な動作が「立ち上がり」です。
しかし、一見当たり前のような「立ち上がり」の動作は、高齢になるにつれ難しくなってくる場合が多く見受けられます。
立ち上がりの動作が不自由になると座ったままとなり、生活範囲が狭くなってしまうだけでなく、どんどん立ち上がりづらくなり、最悪の場合は転倒から骨折にまで至ってしまう可能性もあります。
ではいったいなぜ、高齢になると立ち上がりが難しくなってしまうのでしょうか。
今回は高齢者の立ち上がりが難しくなる原因と、その対策についてご紹介させていただきます。
高齢者の立ち上がりが難しくなる原因とは
1.筋力の低下
立ち上がる動作は一見して単純なようにみえますが、立つために使うお尻の筋肉(大殿筋)や立つときに踏ん張りをきかせるための太ももの筋肉(大腿四頭筋)などが必要です。
個人差はありますが筋肉量は50歳から大幅に減少するうえ、筋肉量は立ち上がりにもっとも必要な下半身の筋肉から低下するといわれています。
このような背景から、高齢になり筋力が低下すると立ち上がり動作が難しくなるといえます。
2.関節の可動域の狭さ
立ち上がる際に必要な関節といえば、膝や股関節を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし立ち上がる動作には、これら二つに加えて足首の関節も重要であることをご存じでしょうか。
とくに高齢者は関節を動かさないことによって足首が硬まってしまう「拘縮(こうしゅく)」が起きている場合が多く、安定した立ち上がりが難しくなってしまいます。
また、立ち上がりに必要な股関節・膝関節・足首の関節のどれか1つでも可動域が狭くなってしまう場合でも、立ち上がりの安定性が低下するとされています。
3.姿勢の悪さ
高齢者の座り姿勢の多くは、背中や腰が曲がっていることからお尻の後方で座る「仙骨座り」となっています。
この仙骨座りは「体を前に倒す」「足の踏ん張り」といった立ち上がりに必要な動作が行いづらく、その結果立ち上がりが難しくなってしまうのです。
なお仙骨座りの状態から立ち上がろうとすると、後ろに倒れやすく転倒のリスクが高まってしまうため注意が必要です。
以上の3つが高齢者の立ち上がりが難しいおもな原因として挙げられます。
ただし「前日までは問題なく立ち上がれたのに急に立ち上がれなくなった」「突然片足の力が入らなくなった」「頭痛や吐き気・めまいがする」といった場合は脳神経や認知症、骨折などの可能性も疑われるので、これらの症状がみられる方は病院の受診をおすすめします。
難しくなってしまった立ち上がり動作の改善方法
1.立ち上がりに必要な筋力を鍛える
前述したように、立ち上がりの動作にはお尻や太ももといった下半身の筋肉が欠かせません。
高齢者の下半身を鍛える筋力トレーニングは広く存在していますが、まずは「立ち上がりの反復」を行うことをおすすめします。
複雑な運動が難しい方でも簡単に取り入れられますし、立ち上がりの動作を何回も行うことで必要な下半身の筋肉が鍛えられるほか、動き自体の復習にもなります。
2.補助器具や福祉用具の使用
・クッション
椅子などから立ち上がるのが難しい場合は、座面を高くするためにクッションを使用するのも有効です。
座面が高くなることにより体を前に倒す距離が短くなるため、筋力が低下している方でも簡単に立ち上がることが可能になります。
・据え置き型の手すり
起床時やトイレでの立ち上がりには、安定性のある据え置き型の手すりがおすすめです。
据え置き型の手すりを選ぶ際は、より安定性が高い底板が長いタイプを選ぶと良いでしょう。
なお、据え置き型の手すりは要支援1から要介護5の介護認定を受けている方であればレンタルすることも可能です。
まとめ
立ち上がる動作が高齢になると難しくなる原因は、おもに「下半身の筋力の低下」「関節の硬さ」「姿勢の悪さ」の3つが挙げられます。
立ち上がり動作の改善には簡単な下半身の筋力トレーニングや福祉用具の使用がおすすめですが、トレーニングがなかなか進まない方や福祉用具のレンタル方法が分からず困っている方も多いのではないでしょうか。
そのようなお悩みをお持ちで東海市にお住まいの方は、ぜひ一度、東海レーベンにご相談ください。
東海レーベンの「フィットネスかえで」ではシニアのための運動教室をはじめ、立ち上がりが難しい方へのサポートも精力的に行っております。