歯が抜けるだけではない?歯周病がもたらす体への怖い影響とは?
人間の歯は、4本の親知らずを除くと全部で28本ありますが、50歳を迎えるあたりから徐々に失われていきます。
40代で約18本、80代になると約15本になり、85歳以上では約10本になるまで、自分の歯が失われてしまうといわれています。
「加齢によるので、仕方のないのでは?」と思われがちですが、じつは歯を失う理由の多くは歯周病であり、その影響は歯だけに留まらないということはご存じでしょうか。
今回は高齢者が歯周病にかかるおもな原因と、歯周病による体への影響をご紹介します。
ぜひ、本記事を参考にしてみてください。
高齢者が歯周病にかかりやすい原因とは?
そもそも歯周病とは、歯垢中の細菌によって歯肉に炎症が起き、歯を支えている骨が溶けてしまうという恐ろしい病気です。
歯周病にかかりやすいおもな原因は「喫煙」「不十分な歯磨き」「ストレス」といわれていますが、高齢者の方の場合は、これらに加えて「唾液分泌量の減少」が挙げられます。
唾液の役割はただ食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、悪い菌を除去する効果があるIgAと呼ばれる物質などが含まれています。
しかし高齢になると、水分の摂取量の低下や噛む力が弱くなるなどといった理由から唾液の分泌量は減少してしまうのです。
さらに降圧剤や睡眠薬など、多くの高齢者の方が服用していると思われる薬にも、唾液の分泌量を抑える作用が含まれています。
そのため歯周病はどの年代でもかかる病気とはいえ、高齢者はさらにそのリスクが高いといえるでしょう。
歯周病がもたらす体への影響
歯周病は口臭や歯が抜けるといった口腔内のトラブルに留まらず、歯肉の毛細血管から歯周病菌が体全体にまで流れてしまいます。
そしてこの歯周病菌は、とくに高齢者がかかりやすいとされる下記の病気にも悪影響を及ぼすことがわかっています。
・誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、本来であれば食道に送られるはずの口にした食べ物や飲み物が気道に送られてしまうことで起こる高齢者に多くみられる肺炎です。
高齢になり嚥下機能が低下することで起こるといわれていますが、歯周病菌が食べ物や唾液とともに気管に入ると炎症を起こすため誤嚥性肺炎の原因のおもな理由の一つといわれています。
・アルツハイマー型認知症
一見すると脳と歯は関係ないように思えますが、歯周病はアルツハイマー型認知症の発症につながる可能性があるのです。
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβと呼ばれる異常なたんぱく質により、細胞が破壊され、脳が萎縮してしまう病気です。
そして歯周病菌は、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβを蓄積させるうえ、血流に乗って脳へ侵入するといわれています。
・糖尿病
歯周病と糖尿病は切っても切れないといっていいほど、たいへん関連性が強いものです。
そもそも糖尿病に罹患している状態は、免疫力が低下して歯周病になりやすいといわれています。
しかし糖尿病にかかっていなくても、歯周病菌には血糖値を下げるインスリンの効果を弱体化する作用があります。
そのため糖尿病に罹患している方はもちろん、歯周病を発症している方は糖尿病に罹患するリスクが高まるため注意が必要です。
まとめ
歯周病は歯が抜けるといった目で見える問題だけでなく、誤嚥性肺炎やアルツハイマー型認知症、糖尿病など深刻な病気を発症しやすくなる原因の一つだということがわかりました。
しかし、食事や排せつなどの日常生活を送るうえで必要不可欠な作業にどうしても労力を割かれがちになるため、なかなか口腔ケアにまで手が回らないとお困りの方も多いのではないでしょうか。
そのような方は、口腔ケアが可能なホームヘルパーによる身体介助を検討してみてはいかがでしょうか。
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