高齢者に出やすい「便秘」「胃もたれ」の症状と改善策
年齢を重ねることで、体の各機能が少しずつ衰えるのは自然なことですが、消化器系の機能低下は特に顕著だとされています。
消化器系は食物の摂取・消化・吸収を行うため、その機能が低下すると全身の健康に影響を与える可能性があります。
また、高齢者の生活の質も大きく左右するため、適切な対策を講じることが大切です。
ここでは、高齢者に出やすい消化器症状の代表である「便秘」「胃もたれ」の症状と対策について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
高齢者の便秘症状とは?改善策はある?
高齢者を悩ませる消化器症状の一つに、排便の回数が減少し、スムーズな排便が困難になる「便秘」があります。
- 排便が週に3回未満である
- 便が硬くて乾燥した状態である
- 強くいきまなければ排便できない
上記のような症状が続いている場合、便秘の状態であると考えてよいでしょう。
人によって便秘になる原因はさまざまですが、高齢者の場合は特に、食べ物を押し進める動きである腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の低下が一因とされています。加齢に伴い腸の動きが鈍って、便がスムーズに排出されにくくなってしまうのです。
また、身体を動かす機会が減ることによる運動不足、水分や食物繊維の摂取不足、薬の副作用などが便秘をさらに悪化させてしまいます。
便秘が続くと腹部膨満感や不快感という症状も現れ、食欲不振や疲労感にまでもつながる恐れがあるため注意が必要です。
お腹の調子を整えるため対策
便秘を予防・改善するためには、生活習慣や食事の見直しが重要です。
まずは、食物繊維を多く含む野菜や果物、全粒穀物などを積極的に摂取するようにしましょう。繊維質は腸内で水分を吸収して便の量を増やし、便通を促進します。
さらには水溶性食物繊維(オートミール、バナナ、豆類など)と、不溶性食物繊維(玄米、さつまいも、ブロッコリーなど)をバランスよく摂取することも推奨されています。
ヨーグルトや乳酸菌飲料など、腸内環境を整える食品も効果的ですよ。
こまめな水分補給も忘れずに
体内の水分が不足すると、便が硬くなり、排便しにくくなります。できるだけこまめな水分補給を心がけ、1日あたり1.5から2リットルの水分摂取を目指しましょう。
起床時にコップ一杯の水を飲むように習慣づけると、腸を刺激して排便を促す効果が期待できますよ。
さらに、軽い散歩やストレッチなど、定期的な運動は腸の蠕動運動を促進するため便秘の予防につながります。短時間でもよいので日々の運動を習慣づけ、日常生活の中に無理なく運動を取り入れましょう。
高齢者の胃もたれ症状と改善策
高齢者は消化機能が低下しやすく、食後に胃が重いというような消化不良を感じる「胃もたれ」の症状が多くなります。
高齢者は加齢によって胃や腸の機能が低下し、消化酵素の分泌量も減少します。その結果、食物が胃の中に長く滞在し、胃もたれや消化不良の症状が現れやすくなるのです。
また、脂っこい食べ物は消化に時間がかかったり、一度に多くの量を食べると胃に負担がかかったりして、胃もたれの症状を悪化させる原因に。食事内容はもちろん、量にも注意が必要です。
食事改善・生活改善で胃の負担を最小限に抑えましょう
胃もたれを防ぐためには、食事や生活習慣の改善が効果的です。
まず、高齢者の消化器官は機能が低下しているため、一度に大量の食物を食べることは避け、少量の食事を複数回に分けるように心がけましょう。
また、脂肪分が多い食品や揚げ物なども胃の負担を増やすため、できるだけ減らすようにしてください。
代わりに、蒸し料理や茹で料理、煮物など、消化に優しい調理法で作った食事を選ぶのがおすすめです。
食後の注意点
食後すぐに横になると、胃の内容物が食道に逆流しやすくなり、胃もたれが悪化しやすくなってしまいます。
食後30分から1時間程度はできるだけ座っているようにするか、軽い運動を心がけるだけでも消化促進につながり、胃もたれしにくくなりますよ。
まとめ
ここでは、高齢者に見られやすい消化器症状の代表である「便秘」「胃もたれ」の症状と対策について解説しました。
消化器症状は高齢者の日常生活に大きな影響を与えるため、食事や生活習慣の見直しを行うと同時に、定期的な運動、十分な水分補給を意識しましょう。
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