日常生活を快適に!高齢者の洋服の選び方
洋服の着脱は日常生活動作の1つです。しかし高齢になると、体の可動域が狭くなったり疾患によって体が動かしづらくなったりといった弊害が生じます。
体を動かすのが大変という方でも、その特徴に配慮した形状の服を用意することで、自分で着替えができる喜びを得られるとよいですよね。
本記事では、高齢者の洋服選びで気をつけるべきポイントと、自分で着脱できる工夫が施してある衣服について紹介したいと思います。
正しい洋服選びによって日常生活をより快適に過ごすための参考にしてみてください。
高齢者の洋服選びにおける3つのポイント
まずは高齢者の洋服選びにおいて、重要となってくるポイントを3つご紹介します。
1.着やすい服を選ぶ
高齢になると若いときと比べて握力が弱くなったり足腰の衰えからバランスを取りにくくなったりします。腕も上がりにくくなり、袖を通すのに苦労する方も多いでしょう。
そんな方には伸縮性のある素材のものや滑って腕が通しやすいものを選ぶとよいです。
また、ズボンについてはストレッチ素材やウエストにゴムが入っているものを選ぶと、外出時やお手洗いに行く際も安心できます。
最近は機能性重視でもおしゃれなものがたくさんありますので、ぜひ探してみましょう。
2.体温調節しやすい服を選ぶ
高齢者は若い人よりも脂肪が少なく、寒さを感じやすいので冬の寒さ対策はしっかり行う必要があります。
かといって厚着し過ぎて通気性が悪くなると汗をかき、風邪をひきやすくなるので、速乾性のある素材がおすすめです。
夏は外の猛暑と屋内の冷房の効き過ぎによる寒暖差で体調を崩しやすくなるため、できるだけ体を冷やし過ぎないように夏でも羽織ものを持って外出しましょう。
冬にはヒートテックのような、薄手かつ保温性の高い下着を着用するとおしゃれに服を着こなせますよ。
3.転倒予防対策を心がける
高齢者の転倒には寝たきりのリスクがあるため注意しなくてはなりません。
裾の長いズボンは足が引っかかり、裾の広いズボンは足に絡まり、いずれも転倒の恐れがあります。柔らかいストレッチ素材のものならすっきりとしたシルエットで足さばきもスムーズに履きこなせます。
上着の紐やベルトも、階段の昇り降りの際に引っかかったり、体勢を変えたときに足に絡まったりしてしまう恐れがあるので注意しましょう。
お困り別!着脱しやすい服のご紹介
様々な疾患が原因で、普通の洋服だと着脱しにくい方が1人で楽に着替えられるように工夫された洋服をご紹介します。
「ボタンの開け閉めがしにくい」
ボタンの開け閉めが苦手という方には、【スナップボタン(タッチホック)式タイプ】の洋服がおすすめです。
ボタンの部分がホックになっているので、指先が思うように動かしにくい方でも簡単に着替えられます。
「リウマチが原因で指先が動かない」
「リウマチ」が原因で指先が不自由だという方には、【ワンタッチテープ式タイプ】の洋服がおすすめです。
ボタンの裏側が面ファスナー(マジックテープ)になっているので、上下を合わせるだけで1人で着替えができます。
「片麻痺が原因で片手が動かない」
「片麻痺」が原因で片手が動かせないという方には、【斜めボタンホール】の洋服がおすすめです。
通常のボタンホールは縦や横に開いていますが、それを斜めにすることでボタンの開け閉めが片手でできます。
「袖を通しにくい」
袖を通しにくくてストレスを感じるという方は、【ラグランスリーブ】の洋服がおすすめです。
ラグランスリーブはアームホールが広く、関節の可動域が狭い方でも比較的簡単に袖を通せます。
まとめ
高齢者の洋服選びのポイントは、「着やすさ」、「体温調節のしやすさ」、「転倒予防」です。
体を動かすのが大変な方でも、工夫をして探すことで1人で着脱しやすい洋服があります。
それらをうまく活用して1人でできることが増えれば、ご本人の笑顔も増え、自己肯定感が高まることでしょう。
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