高齢者のウトウトに注意!「傾眠傾向」のリスクと介護者ができる対策
最近、要介護者が日中にウトウトと居眠りすることが多くなったと感じたら、それは単なる昼寝ではなく、意識障害の一種である「傾眠傾向」かもしれません。
その原因は老衰に限らず、病気や薬の副作用で起こることもあるため、注意深く経過を見ることが大切です。
傾眠は高齢者にとって見過ごせないサイン。軽視することなく、要因や対策について知っておきましょう。
傾眠は軽い意識障害?見逃すと危険な理由
「傾眠(けいみん)傾向」とは、声をかければ目を覚ますものの何もしないと再びウトウト眠り込んでしまうような状態です。
これは4段階ある意識障害(傾眠・混迷・半昏睡・昏睡)のうち、最も軽度な状態に分類されます。
日中の居眠りが増えると「ただの老化(老衰)だろう」と見過ごされがちですが、実は以下のような理由から放置するのは非常に危険です。
- 重大な病気のサイン
- 症状の悪化
- 思わぬ事故(二次被害)
傾眠はただの寝不足ではなく、脱水や感染症(肺炎など)、薬の副作用といった不調のサインであるケースも多いです。
また、放置すると叩いても起きない「昏睡」のようにさらに重い障害へ進行してしまう可能性があります。
そして意識がボーッとした状態による転倒・骨折や、食事中の誤嚥(ごえん)を引き起こすリスクが高まる部分にも注意が必要です。
単なる「年齢のせい」と片付けず、いつもと違う眠り方をしている場合は早めに原因を探るようにしましょう。
老衰以外でウトウトすることも?高齢者の傾眠の原因
老衰以外の原因で傾眠が起こることも珍しくなく、その場合は注意が必要です。
たとえば以下の症状が当てはまります。
夏場によくある脱水症状
夏場の傾眠は「最も危険なサイン」のひとつ。高齢者は体内の水分が不足しても喉の渇きを感じにくいため、知らないうちに脱水が進みます。
脱水によって脳への血流が減ると意識がボーッとし、「気持ちよさそうに眠っている」ように見えて、実は熱中症による軽い障害(傾眠)を起こしているケースが多くなりがちです。
薬の副作用
認知症の薬や抗アレルギー薬など、神経の興奮を抑える一部の薬には眠気を誘う副作用があります。
高齢者は代謝が落ちているため薬が体内に残りやすく、「薬の効きすぎ」によって日中もボーッとしてしまうことがよくあります。新しい薬を飲み始めた後や種類が変わったタイミングでウトウトし始めた場合、副作用を疑う重要なサインです。
急激な低血圧(食後・入浴後など)
食事をとった後や入浴後に急にウトウトしやすいなら、急激な血圧低下が原因かもしれません。
とくに「食後低血圧」は高齢者によく見られるので要注意。単なる「食後の居眠り」に見えても、実は脳が酸欠状態になってふらつきや意識障害(傾眠)を引き起こしている可能性があります。
このほか、認知症や慢性硬膜下血腫、内臓疾患の可能性もあるため、不安な場合は専門機関への受診を検討してください。
今すぐできる高齢者の傾眠対策
さまざまな要因で起こる傾眠傾向に対して、周囲が日常的に行える対策をご紹介します。
こまめな水分補給
積極的に水分補給を促しましょう。
ポイントは一度に大量に飲ませようとせず、口に含む程度の水分量を意識がはっきりしているときにこまめに摂ってもらうことです。
起床時、食事中、入浴前、就寝前のタイミングがおすすめです。
積極的な声掛け
積極的に話す機会を増やしていけば、脳の働きを活性化させて日中の覚醒を促します。
声を掛けても目を覚まさない場合、肩を揺すったり軽くたたいたりするなどして刺激を与える行為も有効です。
定期的な声掛けは何か異変があったときの速やかな対応にもつながります。
日中に身体を動かす
軽い運動は脳を活性化させて覚醒状態を保ち、身体機能も高められます。
無理に体を動かすのではなく、軽い散歩や体操・ストレッチなどでも十分です。
適度な疲労感を覚えれば夜の睡眠の質が向上し、生活リズムが整いやすくなります。
服薬の見直し
特に新しい薬を飲み始めたときや薬の量が増減したときは、注意して見守りましょう。明らかな傾眠傾向が見られた場合はかかりつけ医に相談して薬を調整してもらう必要があります。
その際、症状が表れ始めた時期や頻度、どれくらいの時間生じてしまうかなどを具体的に伝えられるとスムーズです。
まとめ
傾眠とはうたた寝ではなく、軽度な意識障害を起こしている状態です。傾眠傾向が表れたら老衰以外の要因の可能性も考慮し、周囲の方が早めに対応する姿勢が重要です。また、病気の可能性が疑われる場合、判断が難しいため速やかに医師に相談しましょう。
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